29歳、彼氏と別れたばかりのOLです。
別れたといっても自分から振りました。
理由はなんとなく違うと思ったから。
よく恋愛には淡白と友人にもいわれていましたが、本当にそうかもしれません。
いい年齢になってきたこともあり相手が結婚を意識すると途端に冷めてしまうのです。
もしかしたら本当に相手のことが好きじゃないのかもしれない、とすら別れる度に思います。
私は普通のOLですが男性が多く出会いは少なくない職場。
周りの友人のように「出会いがない」と嘆くことはありません。
でもなぜか今回は物足りない気分を感じていました。
30目前にしてこれまで付き合ってきた男性とは違うタイプの男性と知り合いたくなったのです。
そこで選んだ出会いの場が出会い系サイト。
普通男性が思うことなのでしょうが、あわよくばセフレでも見つけようと思って登録しました。
前の彼氏とは付き合いが長く、刺激が足りませんでした。
セックスレスではないにしろそんなに身体の相性がいいほうではなかったし、なにより私が冷めていたのが原因でしょう。
届くメッセージに適当に目を通しつつ、プロフィール検索をかけていると気になる人を見つけました。
好きなバンドが同じ。
そして見た目が私のタイプっぽいのです。
最近の自撮りは盛り放題なこともわかっていますが、私より年上の大人の男性がそんなことするはずないだろう。
という見通しを立て、彼にメッセージを送信。
私と彼の好きなバンドは有名ですが私の年代のファンは珍しかったこともあって、彼から前向きな返信が届きました。
音楽を餌にしてよかった、と思いました。
36歳のTさんは自営業だそうで時間の都合がつけやすいらしく、驚くほどスムーズに会う話が進みました。
どうやら共通の音楽が好きなことがTさんによほど響いたようです。
期待と不安が入り交じり、待ち合わせ場所につくとそこにはTさんらしき男性の姿がありました。
そこで衝撃が走りました。
「めちゃくちゃかっこいい!!」
世間的なイケメンではないと思いますが、なにより好きなバンドのギタリストに似ているのです。
Tさんもギターが好きと言っていたので寄せているのかもしれません。
そんなことを考えて立ち尽くす私に気付いたTさんは声をかけてきました。
かなり挙動不審な対応をしてまったと思います。
それでも大人なTさんは優しく私をエスコート。
2人でおしゃれな焼き鳥屋さんに向かいました。
歩いている最中もお店についてからも、私はいつものように普通に話せませんでした。
男性に不慣れではないのに、意識して緊張してしまうなんて初めてです。
それでもギタリスト似のTさんは私と嬉しそうにバンドや音楽の話をしていました。
周りに趣味の合う友人もいなかったらしく相当喜んでいるようでした。
これはチャンスだ、と思いました。
セフレでもなんでもいいからTさんと関係を持ちたい。
そう思った私はTさんを誘うように全神経を集中しました。
冷静に考えれば初めて会ったのだから普段の私の様子なんてわかりっこないのです。
Tさんもまんざらではなさそうで、ぎこちなくも(ぎこちないのは私だけですが)いい感じになってきました。
思えば自分が好きなタイプの男性と付き合った経験はもちろんセックスした経験もありません。
私は完全に舞い上がり、年甲斐もなく我を失っていました。
どうやってホテルにたどり着いたのかは酔っていたことも相まって記憶が不確かです。
正気に戻ったのはシャワーを浴びているとき。
これからTさんに抱かれるのか…と思うとまるで処女のように念入りに身体を洗って、中学生みたいに鏡をチェックしてバスルームを出ました。
ベッドで待っているTさんはやっぱりかっこいい。
なにか言いかけたTさんを半ば押し倒す形で私はTさんに抱き着いてキスしました。
最初戸惑っていたTさんですが、そんな私に応えるように激しくディープキス。
そして優しいタッチで愛撫をはじめます。
触られたくらいであまり感じることのない私が、かなり敏感になっていました。
Tさんがショーツに手を入れた頃には溢れるほどびしょ濡れ。
「濡れやすいの?」と可愛く聞いてくるTさんに恥ずかしくて返事もできず、顔を見られたくなくて覆いかぶさるようにフェラをしました。
Tさんは「もう入れてもいい?」と聞くと強引に私を引き寄せました。
鼓動がTさんに聞こえるんじゃないかと思うくらいドキドキしていました。
Tさんは正常位でゆっくり私の中に入ってくるとまたキスしてくれました。
とてつもない幸福感と共にまるで自分が自分でないような感情をはじめて覚えました。
おそらくTさんは既婚者な気がします。
本人から聞いたわけではないのですが、なんとなくそんな予感がしたのです。
それでもいまはいいと思っています。
この年で自覚したのは幸か不幸かわかりませんが、とりあえずハッピーメールに感謝しています。